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2008/09/20

森のブローチ

 キノコの季節になりましたね。
 今年出会った可愛いキノコの紹介をします。

Fukurotutigaki

フクロツチガキ(ヒメツチグリ科)
このままブローチに出来そうな形と大きさです。
(2008.08.31長野県で撮影)

Tamagotake

タマゴタケ(テングタケ科)
傘が開く前の幼菌です。
カタツムリが付いている所がご愛敬。
良い出汁が出る美味しいキノコです。
(2008.09.07群馬県で撮影)

Benitenngutake_2

  ベニテングタケ(テングタケ科)
赤い傘に白い点々の配色が美しいキノコ。キノコのグッズではお馴染みの姿形ですね。
上のタマゴタケとそっくりですが、こちらは毒キノコ。食べると酷い目に遭います。
白樺林でよく見られるところも、神秘的ですね。
(2008.09.14長野県で撮影)
 

それでは、喫茶店〔月の光〕へどうぞ

     肉球の匂い

 午後。お千代ちゃんの家に行く。
 今日の仕事は何だっけ。
「お千代ちゃ~ん、いるか?」                         
 玄関から呼んでも出てこない時は裏庭に回る。縁側で日向ぼっこをしていると、聞こえないのだ。
 思った通り、縁側に座っている。どっかで見たような猫を膝に乗せて。
 ん?あいつ。
「稲作、来てくれたのかい。今日は草刈りと生け垣の剪定をしておくれ」
 カマとはさみが用意してある。
「その猫、ミィちゃんか?」
「うちじゃタマって呼んでるけど、ねぇタマや」
 タマと呼ばれたミィちゃんは、煮干しをもらって旨そうに食べている。
「俺にもくれ」
「フーッ!!」
 素早い猫パンチ。
「痛てっ」
「タマのおやつを盗ろうとするからだよ」
 猫は気分を害したのか、お千代ちゃんのひざを降りると、振り返りもせずに行ってしまった。

 一仕事終えて〔月の光〕に向かう。
 ランチタイムが終わった後で客がいないのだろう。
 絹さんとジルが店の前でしゃがんでいる。 
 二人の前には、ミルクが注がれたボールに頭を突っ込む茶色い猫。
「稲作、お帰りなさい」
 と、ジル。
「その猫――」
「みみげちゃん、って僕は呼んでる」
 絹さんは、愛おしいそうに猫の頭を撫でながら言った。
「ニャ~ゴ」
 ミルクを飲み終えた猫は、身軽にジルのひざに飛び乗り、甘えて足踏みをしている。
「あなた、この子に失礼な事をしましたね。2回目は――」
 ジルは嬉しそうな顔をしてこちらを見た。
「残念だな」
 と、引っかかれた手の甲を見せた。血は止まっている。
 とんっ、とジルのひざから降りた猫は尻尾を揺らしながら絹さんにすり寄っている。エサをくれる人間には媚びを売るようだ。
 稲作の事は完全無視かと思ったら、猫がひざに前足をかけてきた。
「ニャー」
「なんだよ」
 猫が、前足を俺の鼻に――引っ掻くつもりはないらしい。
「な、何すんだ」
(あなたがつまらなそうだから、エリザベスにお願いしました)
 ジルが俺だけに語りかけてきた。
 エリザベスって顔かよ。本名だろうけど。
「うらやましいねぇ」
「?」 
「肉球で触ってもらえるなんて。良い匂いがした?」
 泥足で顔触られて嬉しいのか?
 猫の足の裏の匂いが好きなのか?
「おかしな趣味だな、俺のを嗅ぐか?」
「……」
 エリザベスの肉球は、湿った路地を歩いてきたのだろう甘いコケの匂いがした。

僕らをもっと知りたい方はこちらへ   

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コメント

Great, thanks for sharing this article post.Really thank you! Great.

投稿: Alyssa | 2014/01/23 16:51

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