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2007/06/28

エクササイズ

Musitorisumire3
「何だよ、もうバテたのか?」
「だって、マラソン、並みじゃ、ないっすか」
「速く走んなきゃ、チョビの運動になんねぇだろ」
「こんな事なら、迷わねぇで、入隊しとけば、よかった」
「?」
「軍隊式エクササイズ」
「今流行の?」
「旦那、知っていなさるんで?」
「チョビの飼い主の奥さんがやってたぜ。部屋の中で埃立てながら運動するよりチョビと河原を走った方が健康的なのにな」
「そうかもしれやせんが、インドア派のあっしとしては、たったの7日で良いって所にそそられやす」
「そう甘いもんじゃねぇぞ。その腹筋を引き締めたいか?」
 半次は肥満ではないが、運動不足が体に現れている。
「へぇ、出来ることなら」
「よし。田植えの手伝いと土木作業どっちがいい?片方譲るぜ」
「へ?」
「手を抜かずに働けば、体力と筋力が付くぜ。足りなかったら、じいさんの道場を紹介するから心配するな」

【つぶやき】
 初めて見た時、何のコマーシャルだろう?と思いました。
 マッチョな外国人が汗だくで体操していて、最後に「ぶんぶん」とWebで検索して下さいとテロップが流れます。ブログ巡りをしていたらキャンプ参加5日目、などのレポートが。そうこうしているうちにビリーさんが来日して、アイドルのように歓迎されていますね。
 20万人の人が参加しているとか。
 見ているだけで疲れてしまうようじゃ駄目でしょうねぇ。

 今日の写真は「ムシトリスミレ」(2007.06.23群馬県で撮影)
 大きさと色合いがスミレにそっくりです。が、この花は亜高山から高山の湿った所に生える食虫植物。葉の表面に粘液を分泌して虫を捕らえます。スミレという名なのにスミレじゃない、タヌキモ科の植物です。

 

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2007/06/22

散歩

Miyamahannsyouzuru2
「ジルの代わりをしてくれるんだろ?」
「へえ」
 半次は後退りながら言った。
「ガルルルルルゥーッ!」
「ヤツは、このチョビと仲良しなんだ」
 早朝。
 契約している犬の散歩から一日の仕事が始まる。
「大きなブル公っすねぇ」
 チョビは超大型犬のグレート・デーン。自分より弱そうな相手には容赦しない。
「ガウゥゥ」
「ひぇぇぇ」
「仲良くなれそうか?」
「無理っす。あっしの元稼業の天敵ですんで」
「行くぜ!付いて来いよ、半次」
 2時間走るのが、俺たちの散歩だ。


【つぶやき】
 私は昔ながらのバードウォッチャーのつもり。‘見るだけ’写真を撮ら(れ)ないバードウォッチャーです。
 自分の判断だけで、見た野鳥の種類を数える。何の証拠も残らない趣味のために全国の探鳥地を訪ねる。ちょっと前までは、何かを作ったり集めたりする趣味を持つ人には理解しにくい事のようで、不思議がられることもありました。今では認知度が上がりましたね。
「10年前、ここで見た鳥は綺麗な成鳥だった。またいないかなぁ」
 なんて言う、バードウォッチング歴が長い夫の話を聞いて、こういうのも悪くないなぁって思います。
 植物観察も、バードウォッチングのようにと心掛けています。
 まずはよく見て、撮せる状態だったら撮し、登山道から外れている時はあきらめます。コンパクトカメラしか持っていないから、あきらめは早いです。
 崖の上の方だったり、行けそうもない沢の向こう側に見付けた花は、首から提げた8倍の双眼鏡で観察。双眼鏡はフラワーウォッチングにもお勧めですよ。

 排気ガスをまき散らし、登山道を踏み荒らしながら趣味のために花に会いに行く。
 綺麗なお花の前に伸びる邪魔な草も、まだ地上に顔を出していない枯れ葉の下の芽も、自然の一部。それを肝に銘じて、自然を傷つけないように行動しなければなりません。

mixiで題にした「やさしいきもち」は、日本野鳥の会で提唱しているフィールドマナーです。

や・・・野外活動無理なく楽しく
さ・・・採集は控えて自然はそのままに
し・・・静かに、そーっと
い・・・一本道、道からはずれないで
き・・・気をつけよう、写真、給餌、人への迷惑 
も・・・持って帰ろう思い出とゴミ
ち・・・近づかないで、野鳥の巣
   詳しくはこちらで→http://www.wbsj.org/birdfan/bw/manner/guide.html

「憂き世に」の歌詞の最後はこんな言葉で締めくくられています。

♪人をいたわる思いやりが少しでもあれば この世を 嘆くことなどないのに♪

 今日の写真は「ミヤマハンショウヅル」(2007.06.10長野県で撮影)
 3度目で、やっと開き掛けの花に会うことが出来ました。深山半鐘蔓と書くこの花は、半鐘のような釣鐘型の花を咲かせます。
 今度会う時は咲いていてくれるでしょうか。

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2007/06/18

ミノムシ

Birodomouzuika1
「ガキみたいな顔しやがって」
 寝顔は、幼く可愛く見える。これまでに、何があってここに流れ着いてきたのだろう。青いミノムシになっている半次の顔を眺めていると、彼は片目だけ開けて言った。
「旦那、駄目っすよ。あっしはそっちの気はねえんですから」
 俺にだってない。
「そんな寝返りも打てねぇような格好で、よく寝られるもんだと思って見てただけだ」
「……旦那だってバイク乗りでしょ?持ってねぇんですかい、寝袋」
「新聞紙と段ボールで間に合わせた」
「さすが、ワイルドっすねぇ。……あっしのことは気にしねぇで、旦那も休んでおくんなせぇ――」
 眠ってしまった。
 この若者と妙だけは、俺たちのことに巻き込みたくない。

 
「あなた、ご飯よ」
 女の声。
 朝か。
「――」
「あ・な・た」
 耳元で。
「!?――変な声出すんじゃねえ!」
 寝床はいつものソファベッド。半次が、ジルのエプロンを掛けて立っていた。夕べ泊めたんだっけ。
「どうです?ちょっとしたもんでしょ?あっしの声色(こわいろ)」
「ビックリするじゃねえか」
「目が覚めたでしょ、あ・な・た」
「お前なぁ――」
「まさか、旦那」
 途中で止めるな。
「なんだよ」
「おネエちゃんに、こんな風に言ってもらったことがねえなんて、こたぁありやせんよね」
「知るか」
「何です、赤くなっちまって。顔のわりに以外と可愛いんですね、ダ・ン・ナ」
「悪かったな」


【つぶやき】
♪緑が見たいと 誰もが車走らせ ゆくから 緑が消えそう♪
 植物観察に出掛ける時、花たちに会える嬉しい気持ちの片隅で、この歌が頭を流れます。

(ある山小屋の主)
 盗掘が多くて年々稀少植物が減ってしまっている。なかなか現場を押さえることが出来ない。
(出会ったアマチュア写真家)
 盗掘をする人なんかほとんどいない。踏みつけの方が問題なのではないか。見付けた穴場はどんどん人に教えることにしている。
(友人)
 目立つところに咲いている美しい宿根草は花を摘み取ってしまう。そうすれば盗掘を免れるから。
(気にしない人)
 綺麗だから摘んじゃった。庭に植えてみようかな。

 みなさんは、どう思われますか?

 私は……長くなりそうなので次回に続けます。

*冒頭の歌は「憂き世に」。初期のオフコースのアルバム「ワインの匂い(1975年)」の中の1曲です(作詞は鈴木康博さん)。


Birodomouzuika2
 今日の写真は「ビロードモウズイカ」(2007.06.18群馬県で撮影)
 全体が白い毛におおわれている、不気味にも見えるこの巨大な姿を見かけることが多くなりました。ヨーロッパ原産で観賞用に栽培されていたものが逃げ出した帰化植物です。
 生えている場所をご覧下さい。アスファルトとコンクリートの隙間です。たくまし過ぎて「ど根性」と言ってもらえそうもありませんね。
 でも、よく見ると花は可愛いのです。

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2007/06/13

正体

Hoteirann1
「旦那、お強いんですねぇ」
 目元を赤く染めた半次が言った。
「酔わない体質だ」
「うらやましい。あっしは訓練で何とかここまでになりやした」
「訓練?」
「って言っても毎日飲むってだけなんですが」
「ふ~ん」
 テーブルの上には空になったビールの缶が散乱し、さきいか、ピーナッツ、ポテトチップが散らばっている。
 久しぶりに普通の人間と普通に飲んでいる。
 ここのところ、風呂上がりに缶ビール1本と決まっていた。あまり飲むと体に悪いからと、ジルがいい顔をしないからだ。どうせ酔わないのだから同じ事だが、たまには人間らしい無駄も良い。
「それにしても、旦那とあっしは不思議なご縁ですねぇ」
 泥棒と被害者。半次は、眠っているジルを等身大フィギュアだと思って盗もうとしたのだ。
「なんで、ジルの僕になった?」
「へ?シモベ?――あっしはジルさんの友達にはなりやしたが、そんなモンにはなっておりやせん」
「ヤツの正体を知ってるのか?」
「嫌ですねぇ、正体だなんて。ジルさんは優しくていいお人だ。あっしの考えていることなんか全部お見通しで可愛がって下さいやす」
「ジルはどこに行くと言った?」
「しばらくお国に帰るから、自分のかわりに旦那の傍にいるようにと」
 ジルは半次に正体を明かしていない。


【つぶやき】
 なぜか埋めてみたくなるアボカドの種。
 茶色く大きい丸い種。切る時にうっすらと付けてしまった包丁の痕。洗ってテーブルに置いておいたら、翌朝ヒナが孵る寸前の卵のようなひび割れが。どんな芽が出るか見てみたい。
 ネットで検索したら、同じ思いに駆られた人が大勢いることがわかりました。
 とりあえず水栽培してみます。

Hoteirann2
 今日の写真は「ホテイラン」(2007.06.10長野県で撮影)
 会いたかった花です。登山道にぽつりぽつりと咲いていました。

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2007/06/08

そんな自分にorz

Hosobanoamana
「相変わらず綺麗になってますね」
 事務所件住居に、半次が付いてきた。嫌な予感がする。
「だから、お前に手伝ってもらうことなんかねぇんだ。帰れ」
「いえいえ、そうもいかねぇんで。ジルさんに頼まれていやすもんで」
「布団もねぇし。ジルのベッドを使うか?」
 主人のベッドを使うなんて、彼が絶対に出来ないだろう事を言ってみる。
「そんな大それた真似は出来やせん。ご心配なく――」
 彼は、持ってきた大きなボストンバッグを持ち込んでいる。
「あっしはこれで寝やすんで」 
 バッグから、寝袋を出しながら言った。
 やっぱりジルがいない間ここに泊まるつもりだ。
 せっかく羽を伸ばせると思ったのに……。
「留守の間、旦那が羽を伸ばし過ぎねぇように見張っておけと、ジルさんにきつく言われておりやすんで」
 読まれた。
「明日の朝飯は、納豆とシャケの塩焼きと目玉焼きとお新香とみそ汁でいいですかい?」
「好きにしてくれ」
 と、言いながら久しぶりの和食が嬉しい俺。そんな自分にorz


【つぶやき】
 前回、月影兵庫の事を書いたら、テレビ朝日の時代劇枠で7月からドラマ化されるのだそうです。月影兵庫役は松方弘樹さん。お父さん近衛十四郎さん(の当たり役でした)に迫れるか、追い越せるか。
 北大路欣也さんの旗本退屈男は、お父さんの市川右太衛門さんと見間違いそうになるほどそっくりでしたから、両作品を比べてみるのも楽しみです。
 焼津の半次は出るのでしょうか。こちらの配役も楽しみですね。

 お前は何歳なんだ、何て言わないで。おばあちゃん子でしたから、物心が付いた頃から時代劇を見ていたのです。

 今日の写真は「ホソバノアマナ」(2007.05.27長野県で撮影)
 山地の草原に生える多年草です。
 アマナと比べると、ほっそりとしていて繊細な感じです。

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2007/06/05

総動員

Kuwagatasou2
「バーベキューですかい?」
「半次君、久しぶりだね」
 ハンチングをかぶった半次、こと広瀬欧彦がやってきた。
「へえ。あっしにしては珍しく真面目に働いておりやした」
 ここでだけなのだろうか、相変わらず時代劇の遊び人口調だ。
「ジルの差し金か?」
 と、稲作。
「さすがは旦那、お察しの通りで」
 さすがも何も、さっきから木イチゴの木ではオナガの‘ぴょん太’がギャーギャー鳴きながら赤い実をついばんでいるし、餌台ではワカケホンセイインコの‘ぴょん子’がヒマワリの種を食べている。眠りについたジルは、僕(しもべ)達を総動員して俺を見張ろうって事なんだろう。夜はネズミとコウモリが来るはずだ。
「それにしても水くさいよねぇ、言ってくれれば空港に見送りに行ったのに」
「そんな事されたら恥ずかしいから、言わずに行ったんだろう」
「寂しがらねえでくだせぇ、絹さん。ジルさんがいねぇ間は、あっしが居りやすから、何なりと使ってやっておくんなせぇ」


【つぶやき】
 「浦島太郎の真相 恐ろしい八つの昔話」を読みました。
「月に吠えろ!」を読んで以来、書店で見付けると手に取ってしまう鯨統一郎さんの新刊です。

 旨い日本酒をワイングラスに注いで出す日本酒バーに夜な夜な集う、自分たちを‘ヤクドシトリオ’と呼ぶ中年男たち。彼らは、一人で離れた席に座っている若い女性の存在を気にしつつ、‘昔のテレビ番組などのなつかし話’を始めます。思わず頷いてしまうのがこの部分。スポーツ、テレビドラマ、フォークソングなど、1960年前後生まれの人には懐かしい、そういえばそんな事があったよなぁ、と思い出す三人の会話。
 実写版‘レインボーマン’の主人公役の人が‘太陽に吠えろ!’にゲスト出演し、マカロニ刑事を刺殺した犯人の役を演じたなど、どうでもいいけれど、当時小学生だった私も鮮明に覚えている、同年代のツボにはまる会話をし続けた後、今起こっている事件に話が移り、最後には探偵役の若い女性が昔話の新解釈になぞらえて、事件を解決するという短編集です。

 カバーの折り込み部分に著者の言葉として、こう書かれています。
――この作品は、ミステリ部分、昔話の新解釈部分、昔のテレビ番組などのなつかし話部分と、三つの要素から成り立っていますが、その三つがお互いに少しも関連していないという珍しい構成をとっています。――

 うちの半次君も作中の会話に登場する月影兵庫の相棒、焼津の半次さんをイメージしたキャラクターなのです。
 ちなみに、‘レインボーマン’は、川内康範さん原作のヒーローものです。そういえば‘レインボー・ダッシュ7’は月光仮面に似ていますね。主題歌も川内さん作詞。強烈すぎて忘れられない‘死ね死ね団のテーマ’もです。かくしゃくとしていてダンディーなお姿、さすがは愛の戦士の生みの親ですね。

 今日の写真は「クワガタソウ」(2007.05.26群馬県で撮影)
 オオイヌノフグリに似た、少し大きめのピンク色の花です。
 クワガタとは、実の形が兜の飾りの鍬形に似ていることから付いた名前です。

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2007/06/02

デトックス

Dokudami
 〔月の光〕の裏庭で、マスターの絹さんが古ぼけたグリルで炭をおこしている。
「バーベキューでもすんのか?」
「いや、これでやるとちょうど良いんじゃないかと思って」
 グリルの上にダッチオーブンとヤカンを乗せながら言う。
「美味いもんでも作るのか?」
「美味しいかどうか分からないけど――」
 彼が袋から取りだしたのは枯れ草。
「あんまり茂っていたから抜いて干しておいたんだ。……昔、職場の女の子たちが飲んでいたものだから、作ってみようかなって」
「うっ、臭ぇ」
 枯れ草を摘んで匂いを嗅ぐとドクダミ。
「当時はまだ‘デトックス’なんて言葉は流行ってなかったから、飲んで毒を出すんだ、何て言ってたなぁ」
「効果はあったのか?」
「口から毒が出るのは、ドクダミ茶とは関係ないしなぁ」
「口から毒!?」
「毒のある言葉」
「妖怪かと思ったぜ」
 長い付き合いだからわかる。たぶんこの人は競争社会には向いていなくて、OLたちにドジだの、のろまだの、昼行灯だのと言われていたのだろう。
「これをちょっと煎って乾燥させるとお茶になるらしい」
 絹さんはドクダミを幾掴みかオーブンに入れ、木べらでかき回し始めた。
「なんか頼りねぇなぁ」
「ネットの情報だ」
「すげぇ匂いだ」
「やっぱり外でやって良かった」
 店の厨房でこんな事をしたら、客が来なくなる。

「さあ、出来たてを飲んでみよう」
 渡されたお茶は、軽いドクダミ臭がある枯れ草の匂い。


 今日の写真は「ドクダミ」(2007.06.02群馬県で撮影)
 花が咲く時期をお茶にするのが一番薬効があるそうです。
 繁殖力が強く、油断すると庭一面ドクダミ畑になってしまいます。が、一面に咲く白い花も美しいものです。
 私もマスターと同じ方法でドクダミ茶を作ってみました(外ではなく、台所で)。焦げた部分が香ばしいですが、ちょっと香りが強いので、ほうじ茶とブレンドして飲んでいます。

Odorikosou
 今日2枚目の写真は「オドリコソウ」(2007.05.25群馬県で撮影)
 早春に咲くヒメオドリコソウよりも目にする機会が少ないですね。
 群馬で見るものは、ほんのりピンク色のものが多いですが、オドリコソウが多い佐渡島で見たものはクリーム色でした。

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