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2007/05/16

混浴露天風呂

Oobakisumire3
「お前、前に来た時もここに入ったのか?」
「はい」
 だってここは、
「混浴露天風呂じゃねぇか!!」
 新緑の中を流れる沢沿いに作られた乳白色をした岩風呂。子供の頃は裸で沢で泳ぎ、寒くなると戻ってきて温泉で暖まったっけ。
 淡い期待を胸に足を踏み入れてみたが、思った通りじいさんが1人。若い娘が入っているなんていうのはTVの中だけだ。
「お前、広木んとこの稲作だな」
「へ?」
 3軒先の家の野中のじいさんだった。
「昼間っから温泉に入って良い身分だな」
 確かに、親父は畑に出ていて家にはいなかった。
「こんにちは」
 愛想良く挨拶するジル。
「お前が噂の――」
 野中のじいさんはジルの腕を触った後、両手を会わせると、風呂を出ていく。
 ここでは外国人は珍しいが、見たことくらいはあるだろう。映画やテレビだってあるし。いくらジルが金髪碧眼で白い湯に溶け込んでしまいそうな白い肌をした美青年に見せているとしても、拝むことはないだろう。
「何だ、あれ?」
「さあ」

「お前、温泉好きだな」
 ジルは鼻歌を歌いながら、手のひらでお湯をすくって首にかけたりしている。
「はい、あなたと同じ温かさになれるし、この香りも好きです」
 ここの温泉はほのかな硫黄臭がする。
 しばらくすると脱衣所が賑やかになった。
「そろそろ出るか」

「そうはいかないよ!」


 今日の写真は「オオバキスミレ」(2007.05.14群馬県で撮影)
 日本海側の雪が多い地域で見られます。雪解け後、田んぼの畦に群生する様子は大変美しいのです。
 この写真は県内の日本海寄りで撮影しました。

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コメント

I may climb probably to no wonderful heights, but I will climb on your own.

投稿: Maya | 2014/01/23 22:58

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