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2007/03/28

カラオケボックス

Akanesumire4
「何処へ行くと思ったんだ?広木」
「よくこんな所へ来る気になったな」
 稲作は狭い室内を見回しながら言った。さっき即答したのは、妙を変なところに連れて行かれてはかなわないと思ったからだ。
「今日は彼女が主役だ。姫の仰せには逆らえまい」
「姫ねぇ」智紘も姫って呼ばれてたなぁ。
 そこは、稲作と和哉にとって初めての場所だった。
「一度、入ってみたかった」
「面倒なことの巻き添えは嫌だぜ」
「最近は落ち着いている。おかげでこうして自由に出歩ける」
 耳元に口を近付けて交わされる物騒な会話。面倒なことの巻き添えとは、拳銃だの刃物だのを持った連中が和哉を狙ってこないのかということ。父親が死んでから、跡目争いや経営(?)方針の違いで、彼はずいぶん危ない目に遭ってきたのだ。
「認められたってことか」
「さあな」
 大音響が響くカラオケボックスでする会話とは思えない。

「やっぱり、麗華さん上手だね!」
 麗華に‘蠍座の女’は似合い過ぎ。
「どうして、殿方お二人は歌わないの?」
 と、麗華。
 流行歌なんか知らないし、機械の操作の仕方もわからない。隣を見ると、和哉も同じらしかった。
「和哉さん、デュエットしようよ」
 呼ばれた和哉は文句も言わずに妙の方に行った。本当に姫の仰せには逆らわないつもりのようだ。智紘のことを大事にしてくれた和哉なら、妙のことも大切にしてくれるかも知れない。マイクを持って知らない歌を棒読みのように歌う彼を見て思う。もちろん妙次第だが。
「今度は稲作の番だよ!」


 「自虐の詩」を読みました。週刊宝石に連載されていた4コママンガの文庫版です。
 なぜか?ずいぶん前にNHKのBSマンガ夜話という番組で、この作品について熱く語っていて、ぜひ読んでみたいと探し回ったことがあったからです。置かれているコーナーもわからず、古本屋でも見つからなかったので、そのままになってしまっていたのが、たまたま書店に並んでいました。
 働かなくてギャンブラーで飲んだくれで、すぐにお膳をひっくり返すダンナに、そこまでしなくても、というくらいに献身的に尽くす幸江さんの物語。
 書店に並んでいた理由は、映画化されるらしく、出演は阿部寛さんと中谷美紀さんだそうです。読みながら映画のキャストとダブって仕方ありませんでした。どんな映画になるのでしょうね。
 上下巻のうち、上巻だけ買ったのですが、下巻も読みたくなってしまいました。最後は幸江さんに幸せが訪れるのでしょうか。

 今日の写真は「アカネスミレ」(2007.03.27群馬県で撮影)
 花束のように咲いていました。こういうモデルに出会えると、嬉しくなってしまいます。

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コメント

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投稿: Stella | 2014/01/22 12:27

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投稿: Kennedy | 2014/04/09 15:32

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