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2006/11/22

花嫁の父

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「っていうか、おじちゃん達やパパみたいな人と結婚しないように自分を磨くの」
「お袋さんに教わったのか」
 子供が言う言葉とは思えない。
「そうよ、じゃぁね、おじちゃん」
 女の子は手を振って店を出ていく。言葉と動作がアンバランスだ。

「可哀想だねぇ、一人で夕飯なんて」
 少女を見送りながら、呟く絹さん。
「あっしも夕飯は一人でした。鍵っ子でしたからねぇ。……あの娘から見るとあっしも‘おじちゃん’なんですかねぇ」
 溜め息を付く半次。
「――」
「どうなすったんで、ダンナ?‘おじちゃん’って言われたのがショックでしたか?」
 稲作は10代の頃から30過ぎに見られていたのだ。子供におじちゃんと呼ばれたからって傷付きはしない。
「俺はあの娘くらいの頃は、もうこっちにいて従兄弟の家に居候してた。夕飯は二人の従兄弟と争奪戦しながら賑やかに食ったもんだ」
「ラグビーやってた従兄弟でしょ?育ち盛りの男の子3人の食欲って凄そうだね」
「後れをとると食いっぱぐれる」
「羨ましいような、羨ましくないような、ですね」
「――俺たちは結婚対象にはなんねぇのか」
「ダンナ、今度はロリコンに目覚めたんですかい?」
「あるか。あんなちび助が俺たちを駄目だと言ってんだぞ。ってことはだ、年頃の娘にはもっとそう思われるってことだろう?お前、俺のところで働くより、ちゃんとした企業で働いた方がいいな。頑張ってくれ」
「らしくないことを言うね、稲さん」
 と、絹さん。
「妙の相手は、あいつを幸せに出来るやつじゃねぇと認められねぇからな」
 俺はいい。誰も幸せにすることは出来ないのだから。
「花嫁の父みたい」
「何とでも言ってくれ」


「絹さんご馳走さん。俺も帰えらぁ」
「ダンナぁ?……急にどうしたんでしょうねぇ」
 稲作を見送りながら言う半次。
「気になったのかなぁ?あの娘のこと」


 今日の写真は「ベニバナボロギク」(2006.11.19群馬県で撮影)
 紅花襤褸菊と書きます。
 空き地や荒れ地などに咲くアフリカ原産の帰化植物です。

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コメント

Hello. remarkable job. I did not anticipate this. This is a splendid story. Thanks!

投稿: Sophie | 2014/01/22 11:46

Wow! This may be one special of the very useful weblogs We’ve ever pull in athwart with this subject. In reality Outstanding. I am also a certified in this exact topic consequently I can appreciate your energy.

投稿: Kayla | 2014/02/20 22:37

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