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2006/11/06

幸せとは

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「一度、あんたと差しで話してみたかった」
 昌子はジルに言った。
「?」
「あんたとあいつはどう見たって釣り合いが取れないじゃないか。何であいつなんかと一緒にいるのか不思議で仕方ないんだ。差し支えなかったら聞かせてくんないかい?」
「稲作とは、私の生まれ故郷で出会いました。私は村人から迫害を受けていて――」
 助けられて、一緒に旅をして、忘れられなくて彼を追い掛けてきたのだという。
 やっぱり恋愛絡みか。
「好きなのか?」
「はい」
 ジルは、注がれた赤ワインを愛おしそうに眺めた。ワイングラスに稲作を思い浮かべているのだろうか。うっとりとした表情で赤い液体を口に含む。
 なんて綺麗な男だろう。
 見とれていた昌子に彼は言う。
「誤解しないで下さい。あなた方が思う‘愛している’という感情とは違うのです。私は、ただ彼の傍にいたいのです。ですが、あなたが目障りだというのでしたら私は去ります」
 酷く寂しそうな声。
「お待ちよ。あんたのライバルになるのかと思っただけさ。違うんだったらいいんだ。……聞いていると思うけど、あたしはあいつが幸せになるのを見届けなきゃなんないんだ。だから、あんたと居ることがあいつにとっての幸せだったら、あたしが身を引く」
「智紘との約束。……稲作も彼と同じ約束をしているようです。あなたの幸せを見届けると」
「――だから、あいつの幸せを壊すやつは、あんたでも許さないってことさ」
「彼にとって幸せとは何でしょう」

*最初から読みたい方はこちらをクリックしてください。HPにまとめてあります*

『いらっしゃいませ』
 喫茶店〔月の光〕マスターの絹(けん)です。
 しばらく間を空けてしまって済みません。
 昨日、県内の低山の藪の中で、「ケ、ケ、コ、コ、コ」というけたたましい鳥の鳴き声が聞こえました。声の太さから中型の鳥のようですが、姿が見えません。双眼鏡で良く見ると、地上にキジトラの猫がいました。キジトラ模様は枯れ草の上では同化して見えにくいものですね。獲物を狙う猫をしばらく見ていると、バサバサッと飛び立ったのは数羽のコジュケイでした。よく耳にするコジュケイの鳴き声は、あの有名な「チョットコイ、チョットコイ」ですが、警戒音はずいぶん違うものですね。


 今日の写真は「ムキタケ」(2005.09.24群馬県で撮影)
 このキノコも今の季節に出ます。ムキタケの特徴は、桃やトマトのように表面の皮が薄く剥けることです。
 つるんとしたぬめりとキノコらしい香りがする美味しいキノコです。お吸い物がお勧め。

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 今日2枚目の写真は「ツキヨタケ」(2006.10.0群馬県で撮影)
 夜、キノコの裏側が青緑色に光る神秘的なキノコです。
 1枚目の写真のムキタケやヒラタケと間違えて食べる人が多く、食中毒が多い毒キノコです。嘔吐、下痢の症状が出て、死亡例もあるので気を付けましょう。

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