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2006/10/27

下僕?

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「大丈夫か?お前、脂汗流してるぞ」
「誰のせいだ……帰れよ」
 静に寝ていたって痛いというのに、蹴られたのだからたまらない。
「そうはいかないさ。あいつの様子を見ていかないとな。下僕のお前の言うことは信用出来ない」
「誰が下僕だ!勝手にしろ。横にならせてもらうぜ」
「へ~ぇ、何だか味気ない部屋だなぁ。悪事の計画書なんか無いのかなぁ」
 忠宣は、部屋の中を物色しながら言った。
 計画書なんか有るか。ジルの記憶力はそんな物を必要としない。
「居間の冷蔵庫に飲み物あるから、勝手にやってくれ」
 忠宣は喉が渇いていたのだと言って部屋を出て行った。
 何があったのだろう。今までジルの様子を見に来たことなんか無かったのに。
「――な~んだぁ、ジュースこれしかないじゃないか」
 駄々っ子のように言いながら忠宣が持ってきたのは、ジルが買い置きしているブラッドオレンジジュース。
「ビールがあったろう?」
「今は飲まないよ。お家に帰ってから飲む。酔うと隙が出来るからね」
 熊みたいな見た目の親父が発する言葉とは思えない。頭も痛くなりそうだ。
 だが、敵に対する警戒心は強い。彼らの恐さは知っているのだろう。
「――普通のジュースだねぇ」
 恐る恐るジュースに口を付けながら言う忠宣。
「……何か、あったのか?」
「お前、新聞見ないのか?」
 ざっとは目を通す。〔月の光〕でランチを食べながら。
 ジルの仲間が絡んでいそうなニュースがあっただろうか。おかしな事件が多すぎて、埋もれてしまっているのか。
「特に気が付かなかったけど」
「だったらいいよ。――ヤツと関わりが有れば嫌でもお前も巻き込まれる。覚悟はしておけ」

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 今日の写真は「フクオウソウ」(2006.10.22東京都で撮影)
 福王草。三重県の福王山にちなんだ名前だそうです。
 春と夏、この特徴的な葉をよく見かけますが、なかなか花に出会えませんでした。
 やっと見られた花は何とも地味な色合いですね。

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2006/10/25

不意打ち

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 しばらく寝たのか。部屋は暗くなっていた。
 カタン。
 小さな物音。
 ジルが帰って来たのか。
 音の主は、静に部屋に近付いてきた。ジルではない。
 カチャリ、カチャリ。
 また、部屋の鍵をピッキングする音。
 今度は半次ではないだろう。
 こう暗いと、相手が見えない。そっとベッドから出てドアの脇に立つ。
「な~んだ。可愛い娘ちゃんはいないのか」
 この声。
「――なんで、隠れてるのかなぁ~」
 この間の抜けた声。
 と、いきなり胸元を掴まれ、ひざ蹴りがまともに入った。今、一番の弱点の場所に。
「ウウゥッ!」声になんねぇ!稲作は股間を押さえてしゃがみ込む。
「なんだ、コソコソ隠れるんだもん、あいつの仲間になっちゃったのかと思った。大丈夫?」
 こいつ、何でこんなに夜目が利くんだ?
「何の真似だ!!忠宣!――大丈夫な訳ねぇだろ!!お前みたいな妖しいヤツが入ってくれば誰だって隠れるに決まってる!!」
「呼び捨てはないだろ?兄弟子に向かって。……そんなに痛かった?トントンって飛び跳ねた方がいいかも?」
 電気を点けると、黒革の上下に身を包んだ沼田忠宣がいた。稲作の拳法の師匠、沼田のじいさんの息子で兄弟子、昔の俺だったら絶対に信じられない職業に就いている巫山戯た男だ。
「寝るには早い時間だからあいつが眠ってるのかと思ったんだ。お前病気?」
「うるさい!ちゃんと確認しろ!」
「お前が仲間になっていたら、こっちが危ないからね」
「これはなんの真似なんだ」
「あいつはどこにいる?」
 忠信は稲作の問いに答えずに言った。
「何をする気だ?」
「今まで通り暮らしているなら問題はないよ」
「ジルはずっと俺の傍にいてくれてる。ここんとこずっとだ」
「本当だな?――じゃ、別のヤツか……」
 と、呟いた忠宣は珍しく深刻な顔をしている。彼の仕事は吸血鬼ハンター。

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 今日の写真は「フッキソウ」(2006.10.22東京都で撮影)
 富貴草と書きます。常緑の葉が茂る様子を繁栄に例えたものだそうです。白い実を付けていました。

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2006/10/24

照れ隠し

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「稲作、またお昼を食べていませんね」
 冷蔵庫の中を確認したジルが言った。昼飯は電子レンジで温めればすぐに食べられるようにして置いていってくれる。
「忘れた」
「食欲がありませんか」
 ベッドに横になったきりなのに腹が減る訳がない。
 なのにジルは、料理本を片手に毎日美味い物を作ってくれるのだ。書かれているレシピと寸分違わぬ分量と火加減と時間を掛けて。たぶん本と全く同じ味に作っている。
 それも真夜中に。彼が毎日眠らなくても良いということはわかっているが、複雑な気分だ。――ジルが嫁さんじゃなくて良かった。彼のように完璧じゃ息が詰まるだろう。 
「お嫁さんだと思ってもいいのですよ。そういう人と暮らしていたこともあります」
「読むなよ」考えていることを。お前を傷つけるようなことを考えてしまうことだってあるんだから――。
「気にしないで下さい。口に出した言葉以外は聞き流すことにしていますから」
「辛くはないのか?」
「慣れています」
 頭で思ったことと口に出した言葉。全く違うこともあるだろう。彼の正体を知って傍にいる者の心の中は醜い葛藤で一杯だろう。俺も含めて。――俺だったら気が狂う。
「当たり前のことです。醜くなんかありません。あなたが優しすぎるのです」
「あるか、そんなこと。――痛ててて」 
「痛みますか」
 照れ隠しで言っていることもわかっているのだろう。俺は肉体派だから考えることが苦手なのだ。
「お昼を温めてきます。指が痛いのなら、食べさせてあげますよ」
 冗談なのか本気なのか、ジルの心は俺には読めない。

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『いらっしゃいませ』
 喫茶店〔月の光〕マスターの絹(けん)です。

 この土曜日、宿泊先で初めてアシダカグモを見ました。群馬県で大きい蜘蛛というと、コガネグモとオニグモぐらい。壁を歩くアシダカグモの大きさにびっくりしました。蜘蛛は嫌いではありませんが、あんなに大きな蜘蛛に夜中に枕元を歩かれるのはちょっと嫌ですね。

 今日の写真は「三頭の滝」(2006.10.22東京都で撮影)
 奥多摩都民の森、紅葉し始めた三頭の滝です。
 都民の森では大勢の人たちが散策をしていました。

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 今日2枚目の写真は「エサキモンキツノカメムシ」(2006.10.22東京都で撮影)
 背中の黄色いハートマークがお洒落ですね。暗くてぼやけてしまったのが残念です。
 メスは産んだ卵を傍で守る習性があるのですって。

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2006/10/21

蛭療法?

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「何をしているのですか?」
「あっ!ジルさん」
 半次が稲作の居る部屋の鍵を開けようとしていた。
「その悪い癖はまだ直っていないようですね」
「いや、他じゃしてねんですが、ジルさんのお部屋の誘惑に負けそうになりやして」
「そんなに魅力的な装飾はしていません。それより半次さん、お仕事お疲れさまでした」
「へぃ。お千代ばあさんに土産だと柿をもらいました。タルガキにしろって。1つ食いますか?」
 半次に柿を手渡されてかじってみる。
「旨いッスか?」
「ええ」
「何だ、あっしのだけ渋かったのか」
 自分も柿をかじった半次は、やっぱり渋いと言って騒いでいる。
 渋いとは?
「ところで半次さん、お千代さんに気に入られたようですね」
 たまには若いイケメンも良いと、お千代さんは喜んだようだ。仕事そっちのけで時代劇の話で盛り上がったらしい。
「ばあさんに気に入られてもねぇ」
「これからもしばらく、稲作が居ない間お仕事をお願いしても良いですか」
「もちろんですとも」


 半次を帰した後、開けられそうになったベッドルームに行く。
「そうか、良かった。俺だけだったのか」
 稲作は心からそう思っている。他の人間だったら、キノコを食べさせた相手に恨み言の1つも考えるものなのに。
「何だ?」
「いいえ。……稲作、手を貸して」
「?」
 彼は不思議そうな顔をして、指先が腫れた手を出した。その指先を口に含む。
「何すんだ?」
「うふふ。こうして血を吸ったら毒が早く抜けるのではないかと」
「馬鹿言ってんな、ヒルか?お前は。腹減ってるならちゃんと飲ませてやるぜ」
「空腹ではありません。……どうですか」
「そんな直ぐに判るか」
 と、言いながら稲作の顔が赤くなる。指が治った次のことを想像したのだ。こういうところは普通の男と同じ。
「――読んだのか?考えちまったこと?」
「あなたが望むのなら、私は構いません」
「頼むから、そんなこと言わないでくれ」
 稲作の困った顔も可愛いもの。

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『いらっしゃいませ』
 喫茶店〔月の光〕マスターの絹(けん)です。
 今日のBGMは皆さんのご想像のままに。
 いよいよ今年も花に会えなくなってきました。次回からは今までに紹介しきれなかった写真を紹介していくことになりそうです。
 風呂の掃除をしようと、お風呂ブーツを履いて「さあ始めよう!」と、裸足のつま先に違和感が。そっとブーツを脱いで裏返し、トントンと叩くと、やっぱり。中からカマドウマが飛び出してきました。踏まなくて良かった。今の季節、どこから入ってくるのか見かけることが多い昆虫ですね。
 何の害もないのに、嫌われることが多いカマドウマ。どこに飛ぶかわからないジャンプ力と羽根のない丸い身体、すぐ取れてしまう脚などが嫌われてしまう原因でしょうか。
 竈馬(かまどうま)、趣のある良い名前なのに。

 今日の写真は「霜柱」(2006.10.18栃木県で撮影)
 今シーズン初めての霜柱です。奥日光の夜は冷え込むのですね。
 
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 今日2枚目の写真は「シロホシテントウ」(2006.10.18栃木県で撮影)
 寒いのにまだ元気でした。うどん粉病菌を食べるテントウムシだそうです。どこにでもありそうな食べ物を食べているのに、見たのは初めてです。

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2006/10/19

くじ運

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「ギャー、キャッキャッキャッキャ」
 オナガのぴょん太が案内してくれた所は工事現場。丁度昼休みで現場には誰も居ない。
「ジルさーん!!」
 声のする方を捜すと木陰で弁当を広げているりょうさん達。みんな元気に働いている。
「珍しい所で会ったな。稲作は元気でやっているかい?」
「ええ、まあ」
「そうか。握り飯、食うかい?」
「いいえ、食事は済ませてきました。……皆さん体調は大丈夫ですか?」
「ああ、どこも何ともないよ」
「そうですか」
「あんた、腹でも壊したのか?」
「いいえ」
 去年は稲作だけが毒キノコにあたり、今年は私と稲作だけが食べたようだ。いつも宝くじを買っても当たらないとぼやいているのに、キノコに2度もあたるなんて、稲作はくじ運をこんな所で使っているのか。


「痛テテテテテ――」
 なんて情けない姿だろう。
 冷やすのが一番の気休めと、氷嚢を抱えてジルのベッドに潜っている。かつては俺の寝室で俺のベッドだったのに、どうも落ち着かない。よく雑誌に載っている理想の部屋みたいに綺麗に整いすぎているのだ。

「ちわ~す!あれ?ジルさん、いないんですか~い?」
 半次だ。
 お千代ちゃんの家の仕事を終えて帰って来たのだ。
「開けっ放しなんて不用心だなぁ。――タルガキにしろってもらったんだけど。……タルガキってなんだろう」
「ギャ~!!何だ何だ何だ、渋ぃー!」
 半次はもらってきた渋柿をかじったらしい。
 稲作は、必死に笑いをこらえる。腹筋使うと痛いじゃないか。
「ったく。――ここはジルさんのお部屋だよなぁ。久しぶりに拝ましていただこうか」
 カチャカチャと、得意のピッキングをする音がする。
 まずい。居ることがバレる。

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『いらっしゃいませ』
 喫茶店〔月の光〕マスターの絹(けん)です。
 今日のBGMはグレンミラー楽団演奏の‘ムーンライトセレナーデ’にしましょう。(曲は流していません。ご想像下さい)。
 17日、日光に行って来ました。
 山王峠から、涸沼、切込湖、刈込湖、小峠を通って湯元までのコースを歩きました。
 紅葉シーズンのため、いろは坂は大変な渋滞だったそうですが、残念なことに今年は見頃を過ぎてしまったようです。ビジターセンターで写真展を開いていた方に伺ったところ、今月上旬の台風並みの暴風で、葉がずいぶん散ってしまったのだそうです。

 今日の写真1枚目は「奥日光 湯元温泉源」(2006.10.18栃木県で撮影)
 辛うじて紅葉が残っていますね。河原に沸き出した源泉は、各旅館ごとに分けられた屋根付きの小屋からパイプで送られていました。辺りにはゆで卵が食べたくなるような硫黄の臭いが充満していました。
 
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 今日2枚目の写真は「鹿の頭蓋骨」(2006.10.18栃木県で撮影)
 小峠近くで一休み。腰を下ろして水分補給をしていると、草むらの中、目線の先に白く光るものがありました。何だろうと見付けたのがこの写真です。野ざらしでもこんなに綺麗な白骨になるのですね。
 シカ?カモシカ?の疑問はビジターセンターで確認出来ました。両方の頭蓋骨が並べられていたのです。

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2006/10/16

小指のリング

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「ジル、頼みたいことがある」
「何ですか」
「りょうさん達を捜して欲しいんだ。あいつら、金無いから病院なんか行っていないと思う。だから、昨日先生に聞いたことやお前が調べてくれたことを伝えて欲しいんだ。理由がわかれば少しは慰めになるだろう」
 そう頼まれて、僕(しもべ)達に彼らの行方を捜させている。


 喫茶店〔月の光〕。
 いつもの席の座ったジルは、窓の外を気にしている。また、コウモリかオナガの友達を待っているのだろう。彼の前の席では、妙が、こちらも人待ち顔で、小指にはめた小さなサファイアの指輪を触りながら、溜め息を付いている。
「お待たせしました」
 妙ちゃんは、この秋始めたモンブランパフェ。ジルには赤い色が美しいハイビスカスティー。
「妙ちゃん、素敵な指輪だね。サイズが小さいの?」
「絹さん、これはね、ピンキーリング。小指用の指輪なんだ」
 と、妙ちゃん。
「へぇ、今ってそんなのあるんだ」
「うん。稲作にもらったんだ。――何で小指用なんだろう」
 今年の妙ちゃんの誕生日はみんなで焼き肉を食べに行ったのだ。彼女のリングは稲作からの誕生日プレゼントだろう。去年はピアス、クリスマスはペンダント、今年は指輪と分かり易い。
「愛情を表す小指にはめるピンキーリングには、幸せを逃さないというお守りの意味も込められているのです」
「物知りだね、ジル」
「マダムに教えていただきました」
「稲作は、ボクのことどう思ってるんだろう」
「大切に思っています」
 ジルの青い瞳が一瞬輝く。
「そうかなぁ」
 大切に思うことと女性として愛することとは違う。ねだられた稲作は、苦し紛れに小指のリングをプレゼントしたのかも知れない。

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『いらっしゃいませ』
 喫茶店〔月の光〕マスターの絹(けん)です。
 たまには、僕がこんな風に語るのもいいかなと……。
 今日のBGMはドビュッシーの‘月の光’(曲は流していません。ご想像下さい)。
 店の名前はこの曲からいただきました。皆さんもコマーシャルやテレビドラマで耳にしたことがあると思います。
 ピアノの奏者はミッシェル・ベロフ。月の光のように冷たく澄んだ音色が気に入っています。
 今回はキノコの珍しい中毒症状を題材にしたため、どうしてもちょっとエッチ系のお話になっています。でも、あの程度が精一杯なので、どうかご安心下さいね。
 そのせいでしょうか、妖しい迷惑メールが倍増して消すのが大変です。そのせいだとしたら、どうやって送りつけているのでしょう?今日エッチ系なんて書いたから、明日から更に倍増でしょうか。

 今日の写真は「カラハナソウ」(2006.10.10群馬県で撮影)
 この春、庭に見慣れない蔓性の植物が生えてきました。ウリ、マメ、ブドウなど色々候補に挙がりましたがどれも違います。花が咲けばと花を待ってやっとその正体が解りました。
 唐花草でした。この実、TV画面で見たことがありませんか?
 ビールのコマーシャルで。
 カラハナソウはビールの原料ホップの仲間です。そっくりでしょう?
 なぜ、庭に生えてきたのかは謎なのです。

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2006/10/13

長期出張

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「‘有効な鎮痛方法は局所麻酔による硬膜外神経ブロックに限られている。’ですって」
 と、ジル。
「何だ?そりゃ?」
「ラブちゃんがわかりやすいように言うと、背骨に痛み止めを打つって事だ」
「!?」背骨!?
「それって、マリアンヌが受けた治療と同じかしら。ほら先生、椎間板ヘルニアで入院して。病室が男性病棟で、恥ずかしいけど嬉しいって言っていたじゃない?」
 マリアンヌは麗華の店の従業員。
「そういう治療だよ」
「‘血液透析やニコチン酸とATPの投与により症状が軽減することがわかっている。’とも書いてあります」
「それは、また――」
「病院に行かないといけないようですね」
「――」――放心状態の俺。
「広木、どうしたの?しっかりなさい」
 と、麗華。
「……行かねぇ」
 血液透析の経験はあるが、背骨に注射とこの痛み、どっちがマシだろう。それ以上に、病院なんかに行って、キノコ中毒がバレる事が一番嫌だ。暇な地方紙にでも面白おかしく書き立てられたらたまったもんじゃない。
「だって、辛いでしょうに」
「……一月我慢する」
「ま、昔はそんな治療はなかっただろうからな」

「で、1ヶ月間どうするつもり?」
「何とかするさ」
「一人では出来ません。こういう時は私たちを頼って下さい」
「そうよ、広木。やせ我慢でどうにか出来る事じゃないわ」
「仕事は私と半次が手分けしてやります」
「半次さんは大丈夫なの?」
「彼は遊び人ですから問題ありません」
「遊び人?」
「そう言っていました。彼は時代劇マニアなのです」
 働かないでパチンコやったり競輪行ったりしているのだから遊び人には違いない。ただ、今の時代の遊び人はちょっと解釈が違うような気がするが。
「そうだわ、広木。あなたは、私の依頼で長期出張したことにすればいいのよ」

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 今日の写真は「リンドウ」(2006.10.09群馬県で撮影)
 竜胆。この野草も漢方薬で、漢方名は竜胆(りゅうたん)だそうです。
 草むらの中でひっそりと咲いていました。

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2006/10/11

ヤケドキン

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「おとなしく寝ているのかしら」
 ドアの向こうから、一番聞きたくなかった声が聞こえてくる。
 ジルのヤツ。
「広木~ぃ。眠ってるの?」
 赤紫の派手なドレスを着た麗華が、猫なで声を出しながら入って来た。昔は稲作が、今はジルが世話になっている、クラブ〔Madam☆Rose〕のマダムだ。彼女が入ってくると強烈な薔薇の香りが部屋に充満した。
「マダム」
「ラブちゃんどうしたい?」
 後ろから入って来て、稲作にのことをラブちゃんと呼ぶのは、〔Madam☆Rose〕の近くで小さな診療所を開いている老医師。新宿時代は何度も世話になった。彼が稲作をラブちゃんと呼ぶ理由は、当時のホステスが飼っていた黒ラブに似ていたからだ。
「私はその道のエキスパートだよ」
 と、言ってウインクする医師。
 土地柄、恥ずかしくて痛い程度のものから命に関わる深刻なものまで、色々な症例を見ているだろう。
「どれどれ見せてごらん。……長年医者をやっているが、初めて見たよ。焼け火箸を刺されたように痛いって本当か?」
 俺の赤く腫れた手の指を見ながら言う老医師。
 焼け火箸を刺される――そういえばそんな感じの痛さなのかも知れない。刺されたことはないけど。
「これは厄介だなぁ。……確認するが、鍋を食べたのは6日前だね?」
「へ?鍋?……って、闇鍋のことか?」
 頷く医師。
「そうだったと思う」
「ヤケドキンだな」
「?」
 何の菌だ?
「昔浮気をした時、女房に、‘罰に食べさせるぞ!’と脅されたことがあるが、食べた症状を初めて見たよ」
「??」
 何の菌だ??
「先生、結婚していらしたの?」
 麗華は初めて聞く医師の過去に興味津々の様子。――それどころではない俺。
「愛想を尽かされたから、あの街に流れ着いたのさ」
「まぁ」
「あのぅ、ヤケドキンって?」
「毒キノコのドクササコの別名だ。患部を清潔に保って感染症を起こさなければ、命に別状はないよ。ただ、その痛みにはモルヒネも効かないらしい」
 と、老医師。
 いつの間にか部屋に入って来ていたジルが、持ってきたノートパソコンの画面を見ながら言った。ネット検索したのだろう。
「ドクササコの食中毒。‘手足の先、鼻、陰茎など身体の末端部分が赤く火傷を起こしたように腫れあがり、その部分に激痛が生じる。ヤケドキン(火傷菌)と呼ばれるのはこの特徴による。’と書かれていますね、先生。……道理で食べたことがない味がしたはずです。焼け火箸を刺されたような痛みは1か月以上続くそうですよ、稲作」
 ジルの瞳が青く光った。

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 今日の写真は「トリカブト」(2006.10.09群馬県で撮影)
 今の季節、濃い青紫の豪華な花を咲かせます。何度か書きましたが、鳥がかぶる兜のように美しいから、鳥兜です。
 昔の推理小説では、殺人に使う毒草の代名詞のような存在ですが、漢方薬の世界では二千年も前から使われている薬草だそうです。分量次第で毒も薬になるのですね。
 写真は、オクトリカブトかヤマトリカブトだと思います。未熟な私には区別が付きません。

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 今日2枚目の写真は「テングチョウ」(2006.10.02群馬県で撮影)
 どうやらテングチョウは動きが鈍いみたいです。アサギマダラと共にモデルになってくれる確率が高いのです。
 共演の花はメハジキ。

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2006/10/10

メール

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「今日のお散歩は私が代行します」
「俺が――」
「行けますか。夕べ一晩中痛い痛いと言っていたでしょう」
「言ってねぇ」
「口ではね。眠らずに考えていたでしょう。おかげでずっと私の頭の中では、あなたの痛い痛い痛い痛い痛いという言葉が鳴り響いていました。時々昌子さんの名前も呼んで謝っていました。……いつもは8割は腹が減ったと言っているのに」
「数えているのか?」
 あえて、昌子のことには触れない。触れたくない。
「表にして提出しましょうか」
「馬鹿言ってろ。そんなに気になるんだったら、自分の部屋に行って音楽でも聴いてりゃ良かったんだ」
「あなたが心配だったのです」
 世話女房のようなヤツ。
「心配するな。死にはしない」
 ペンダントの青い光は見えていない。
「死ななくてもの辛いのでしょう。お医者様に行って下さい」
「嫌だね。篠原先生や絹さんに言うなよ」
 恥ずかしくって医者なんか行けるか。
「妙ちゃんや半次さんには?」
「駄目に決まってるだろ」
「どうするのです」
「我慢する」
「仕事が出来ますか」
 今日はお千代ちゃんの家の掃除と、稲刈りの手伝い。……無理。足の指も腫れていて靴が履けそうもない。おかしい。昌子が言うような病気だったら、手足の先まで腫れたりしないはずだ。新宿にいた頃、ずいぶん悪さもしたし、情報も得た。こんな症状を聞いたことがない。新手の……いや、最近の俺は品行方正だったのだ。
「半次に頼んでみる」
「それでは、連絡がすんだら私の部屋のベッドに移動していて下さい。誰か来たら言い訳出来ないでしょう」

 携帯メール。これは便利な機能。
 私の声は、傍にいる者にしか届かない。私の声は、空気の振動で発せられていないのだから。
 ジルは、麗華に詳細をメールした。彼女には言ってはいけないと言われていない。

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 今日の写真は「秋の空」(2006.10.09群馬県で撮影)
 たまにはこんな写真もいいでしょう。
 雲の形は、羽ばたく鳥?コウモリ?ザリガニ?クリオネ?……。
 変わっていく形を眺めながら想像していた、子供の頃のことを思い出しました。

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 今日2枚目の写真は「カンタン」(2006.10.09群馬県で撮影)
 変わった名前のせいでしょうか、子供の頃、図鑑を見ながら見てみたいと思っていた昆虫です。羽根が透明なコオロギの仲間です。
 山の草原は、このカンタンの♪フィルルルルルル……♪という鳴き声一色でした。
 漢字表記は邯鄲です。この機会になぜカンタンなのか調べてみました。
【その幽玄な響きが中国の「邯鄲の夢」(かんたんのゆめ=煮炊きをしているわずかな時間に一生の栄華をきわめる夢をみる)という故事をイメージするところから、カンタンギスになり、カンタンになったというのが定説】だそうです。

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2006/10/08

魔法

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「オネエ、すまない」
 長く待たせたから、昌子はベッドに横になって毛布を掛け、顔だけ出していた。
「お腹の調子でも悪いのかい?」
「――」
「冷静になったら怖じ気づいたのかい」
「――」
 返す言葉が見つからない。本当のことを言ったところで信じてもらえないかも知れないけれど、嘘は見抜かれるだろう。
「――痛いんだ」
 小さな声で身体の異変を説明する。
「あ?よく聞こえないねぇ。――見せてみな」
「頼むから勘弁してくれ」
 見せられる訳ないじゃないか。
 昌子はベッドから起き出すと、服を着ながら言った。
「どんな悪さをしたんだか知らないが、よく思いだして医者に行け。移されたんじゃかなわないからね」

 ……情けない。
 一人取り残された広いベッドで大の字になって考える。
 昌子が言うような事なんて、最近は身に覚えがないのに。
 ジルの魔法や呪文なんて事はないよなぁ。


「お帰りなさい。お食事は楽しかったですか」
 風呂上がりのジルが、髪をタオルで拭きながら言った。
「――そうでもなかったようですね。……私は魔法使いや呪術師ではありません。吸血鬼です」
「すまん。本気で考えた訳じゃない」
 ジルには、俺が考えたことが読めてしまうのだ。
「わかっています。……それより、身体の具合は大丈夫なのですか」
 もちろん痛い。どんどん痛みが酷くなっているようだ。足の先まで痛くなってきたし。
 でも今は……。
「心の方が痛いのですね。私に痛みはわかりませんが、我慢出来ないのでしたら篠原先生に診ていただきますか」
「明日になったら考える」

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 今日の写真は「ヤクシソウ」(2006.10.01群馬県で撮影)
 薬師草と書きます。由来は、薬師堂のそばで最初に見付けられたとか、根生葉薬師が薬師如来の光背に似ているとか、薬用にされたとか書かれていますが、よくわからないのだそうです。
 黄色い花の群生を見ると、今年の花の季節も終わりだなぁ、と感じさせられる秋の花です。
 共演は、ホソヒラタアブ。

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 今日2枚目の写真は「ハナイグチ」(2006.09.30群馬県で撮影)
 今の季節、カラマツ林に生え、裏側は黄色いスポンジ状になっています。だし汁で煮込むととろみが出て、大変美味しいキノコです。

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2006/10/06

知恵の輪

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 身体を預けてきた昌子を抱き締めた。
 きつすぎないか、苦しくないだろうか。
 ずっとだ……。
 初めて逢った高校時代から、ずっとこの日を想っていた。
 力を緩めると、彼女の潤んだ瞳が俺を見上げた。
「いいか?」
 彼女は瞼を閉じる。
 そっと、くちびるを重ねる。
 昌子を護れるのか。
 お前との約束を守れるのか――智紘。
 首の後ろに腕を回してきた昌子を抱き上げ、ベッドルームに連れて行く。

 昌子を清潔で広いベッドの上に座らせる。
 ランジェリーの肩紐を下ろし、ブラジャーのホック外しに取りかかる。……知恵の輪のようになかなか外れない。
 昌子は微笑んで俺の仕事が終わるのを待つ。
「不器用だねぇ」
 俺は器用なはずなのに。
 落ち着け。
 指先が痺れて熱い。
 痛い様な気もする。
「!!」痛い!
 俺は、若くて健康な男だ。こんな場面だったら、男なら誰だって身体が臨戦態勢に入る。
 何!?何なんだ。
「どうした?」
 昌子は手を止めた俺に問う。
「いや、ちょっと便所に――」
「本当に間が悪い男だねぇ、あんたって」

 何だ何だ何だ何だ……。
 稲作は、便座に座って頭を抱えた。
 ――痛いはずだ。 
 赤く腫れ上がっている。指先だけじゃなくて、○○の先も――。

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 今日の写真は「メナモミ」(2006.10.01群馬県で撮影)
 この、花の回りのベタベタした腺毛が動物などの毛にくっついて運ばれます。

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 今日2枚目の写真は「スギヒラタケ」(2006.10.01群馬県で撮影)
 杉の朽ちた切り株に、たくさん生えていました。
 このキノコは、つい最近まで普通に食用キノコでした。が、平成16年に何件かの中毒死亡事故が起こり、毒キノコの仲間入りをしました。
 キノコらしい香りと繊細な姿は、いかにも美味しそうですし、手持ちの図鑑にも食用と書かれています。
 野生のキノコは恐いものですね。

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2006/10/04

決心

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 稲作は、昌子の勢いに押されて後ろをノコノコ付いていく。
 ……どう考えても、こういうお膳立てをするのは男の役目だろう。
「広い部屋だな、世の中にはこんな所に泊まるヤツいるんだな」
「スイートだ。あたしだって初めてだよ。――よく来てくれたね。来ないと思った」
「話、途中だったんだろ?」
 話の内容は察しが付く。ここで聞いてガス抜きをしておかないと、大事になりそうな予感がしたのだ。彼女は、あの和哉を脅すような女なのだから。
「あんた、女は駄目なのかい?」
「?」
「男じゃないと受け付けないのかと聞いてる」
「へ?」
「この間だってあたしに手を出さなかったし」
 出せるか。後が恐いのはわかっている。
「――」
「それならそれでも構わない。相手が絹さんや半次だったらね。……でも、あいつとは手を切れ」
 やっぱりジルの事か。
「どうして?」
「どうしてもだ。気に入らないんだよ」
「やきもちか?」
 違う。勘が良い昌子は、ジルの異質性を感じているのだ。
「思いたければ思え」
 昌子は、胸を張って首の後ろに両手をやっている。
 はらり、と、クリーム色のドレスが足下に落ちた。
 おおっ!!
 まぶしい白のランジェリー姿。
 ここまでさせて、恥をかかせることは出来ない。
「ほんとに良いのか?」
 昌子は肯いた。
 どうにでもなれ!
 稲作は昌子を抱き寄せた。

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 今日の写真は「ミゾソバ」(2006.09.30群馬県で撮影)
 溝蕎麦です。花の形が可愛いので寄って撮ってみました。
 
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 今日2枚目の写真は「大きなキノコ」(2006.09.30群馬県で撮影)
 テングタケの仲間だということはわかるのですが、名前がわかりません。
 タマゴテングタケモドキ、ツルタケダマシなどではないかと思います。テングタケ科のキノコは美味しい物から死んでしまう物まであるので、詳しくない人は食べてはいけないキノコと覚えておきましょう。
 大きさを見るために、横に置いているのはビクトリノックスのアーミーナイフ(高さ約9センチ)です。キノコの大きさがわかるでしょう?

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2006/10/03

ディナー

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「待たせたか」
「5分前だ」
 県内では最高ランクのホテルのフランス料理店。
 オネエこと赤木昌子は、パーティーにでも行きそうな背中が開いたクリーム色のドレスを着ている。見慣れているはずなのに、彼女はやはり美しい。
「何だ?」
「俺、この格好で大丈夫か?」
「ああ、和哉よりヤクザっぽいけどな」
 麗華の店で着ている、セキュリティー用の黒服しか着られそうな物がなかったのだ。目立つ大柄な2人は人目を惹いているようで、酷く見られている感じがする。
「緊張するな。こういう店は初めてじゃあるまい」
「初めてだ」
「マジか?」
 小声でなければ聞くに堪えないだろう会話。
 機会がなかった訳じゃないが、面倒くさいことは避けてきた。
「あたしと同じように食べろ」
 と、俺には言うが、グラスや皿を持ってくる給仕には、同一人物とは思えない上品な対応をしている。
 前菜は美しい見た目をしているが、少なすぎて食った気がしない。スープはしょう油を混ぜたら旨いだろうなぁ。
 メインにも食べる順番があるのだろうか。昌子が付け合わせのニンジンを切って口に運んでいるから真似をした。
「広木さん、そんなに同じ様にいただかなくても、よろしくてよ。鏡を見ているようで落ち着かないわ」
 昌子は給仕に言うような気取った声で言った。
「普段はこうしてだましているのさ」
 吹き出しそうになった俺を見て楽しそうに笑う。
 全く、詐欺師じゃないんだから……。

「迷惑かけて悪かったね」
 デザートに添えられた苺を食べながら昌子は言う。
 今日の本題に入った。
「オネエが謝ることじゃねぇさ」
「あたしがあんたを頼んなきゃ、起きなかったことだから」
 頼った訳じゃないだろう。
「和哉は案外良いヤツなのかもな」
「?」
「黒田の最期を引き受けてくれた」
 彼に関係ないと言われれば、警察だの役所だのの手配をしなければならなかっただろう。指名手配をされていた男だから、かなり厄介なことになっただろう。
「だから良いヤツなのかい?あいつに殺されそうになっても?」
「それだけオネエに真剣なんだろう」
「さっき、あいつの所に行ってきた。……もしまた、あんたに手を出すようなことがあったら、差し違える覚悟がある。それが叶わなかったら尼さんになるって脅してきた」
「!?」尼さん!?
「言っておくが、あたしはクリスチャンだ。修道女になるってことさ。――行くぜ。上に部屋が取ってある」

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 今日の写真は「コシオガマ」(2006.09.30群馬県で撮影)
 小塩竈。日当たりの良い草地に生えます。小さくて目立たない花で、さわるとべたべたします。

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 今日2枚目の写真は「熊棚」(2006.09.30群馬県で撮影)
 土曜日はきのこ狩りに行ってきました。採れたキノコはハナイグチ・ヤマイグチ・アミハナイグチ・ナラタケ・クリタケなどです。
 森の中は、足跡、爪痕、新しい糞など、ツキノワグマの痕跡がいっぱいでした。
 写真は木の上に熊が作った熊棚です。高いところに器用に上って回りの枝をたぐり寄せ、腰を下ろした跡だそうです。地上には、その時折られた木の枝が散乱していました。重い熊があれほど高い木の上に登れる事に驚きです。
 山から帰った時、同じ村内で熊に出会って怪我をした人がいるという話を聞きました。
 私たちは大人数で、鈴を鳴らし、離れずに、声を出しながら行動をしましたが、やはり恐いものですね。
 今年は山の実りが不作で、熊が人里近くまで来ているそうですから皆さんもご注意を。

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