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2006/08/15

妖しい関係

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「隣に行っても良いですか」
「いいぜ」
 向かい側のソファに座っていたジルが稲作の隣に来る。他のヤツだったら暑苦しくなるからまっぴらご免だがジルは特別だ。彼には体温も匂いもない。
 ジルが耳元で囁く。
「下さい」
「腹減ってるのか?」
 反射的に左腕を差し出す。……俺にとって当たり前の行動だ。
 ジルは稲作の手を取って小指を噛む。痛くはない。
「?」手首じゃないのか?
「……こうして、時々チェックします。あなたが栄養を摂っているかどうか」
 健康チェックなんかして。 
「バランスを考えてちゃんと食っている」
「そのようですね。……妙ちゃんに本を借りたのですが、お弁当を作ったら持っていってくれますか」
 美味そうな写真満載のレシピ本。所々に貼ってある付せんは、妙が付けたのか。
 !?
「遠慮しとくよ」
  寂しそうな顔をするジル。
 人間の食べ物の味がわからないジルは、本のレシピ通り完璧に作る。こんなのを完全再現されたら恥ずかしくて弁当箱の蓋を開けられないじゃないか。
 付せんのページの写真には、白いご飯の上に桜でんぷで大きなハートが描いてある。

「それでは、他の頼みを聞いてくれますか」
「内容による」
 安請け合いは酷い目に遭う。  
「海水浴に、行ってみたいのです」
 妙に洗脳されたのか。
「海岸は紫外線強いぞ」
「マダムに防止の方法を教えていただきます」
「どうしても、行きたいのか?」
「はい」
「しょうがねぇなぁ」
 俺は、海に行かされるという、ジルの策略にはまったことに気付かなかった。

 ホームページを始めて間もない頃書いた「みちくさ 桃の味」の中の子供達の様子は、父から聞いた戦時中の思い出話が元になっています。良かったらご覧になってみて下さい。
 若い皆さんも、身近なご両親やお祖父ちゃんお祖母ちゃんの貴重な体験談を聞いてみてはいかがでしょう。

 今日は終戦記念日です。
 世間は、小泉総理靖国神社参拝で騒がしいですが、神社で奉られている方だけでなく、戦争で亡くなった全ての人たちに安らかに眠っていただけるように祈りたいと思います。
 今の私たちが犠牲になった皆さんに恥ずかしくない生き方をしているか、反省をしましょう。

 今日の写真は「エゾウスユキソウ」(2006.08.09北海道で撮影)
 蝦夷薄雪草。別名・レブンウスユキソウ。
 今回は礼文島、利尻島と本島のサロベツ原野を旅してきました。
 毎日少しずつ、花の写真と一緒に旅の様子を紹介していきたいと思います。
 8月8日朝6時に出発して東京に出て、飛行機、フェリーを乗り継いで、夕方5時過ぎに礼文島に着きました。行動してみれば、アッという間の移動時間でした。
 2時間弱のフェリーの上では海鳥観察です。トウゾクカモメが見られないかと期待していましたが、今回は会えませんでした。カモメ類とウトウ、アカエリヒレアシシギを見られました。ウトウは泳いでいる姿、鼻の突起までよく見えました。

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 今日2枚目の写真は「レブンソウ」(2006.08.09北海道で撮影)
 礼文草という名を持つ礼文島特産のマメ科の植物です。ほとんど終わりかけでしたが、モデルを見付けてパチリ。

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コメント

Wonderful post.Never knew this, regards for letting me know.

投稿: Harper | 2014/01/23 03:26

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