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2006/08/28

隙あり

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「稲作、泳ごうよ」
 と、弁当を食べ終えて、一休みした妙。
「後で行く」
「も~ぅ、せっかく来たのに~ぃ。それに、なんでタンクトップ脱がないワケ?」
 稲作は、赤い海パンにはき替えても、黒いタンクトップを脱がずに寝転がっている。
「悪いか?」
「気になりますねぇ。ダンナ、背中に模様でもあるんですかい?」
「模様?」
「私はあるわよ、こ・こ・に」
 と、麗華。彼女の内股には深紅の薔薇の花が描かれている。
 目をやった半次は、ゴクリとツバを飲み込んだ。
「そんな痛てぇこと出来るか」
 麗華とジルは全く泳ぐ気が無いようで、紫外線対策のつば広の帽子、サングラス、レースの日よけを羽織っている。青田は一番目立つ黒服を着て、二人の傍に立っている。
 麗華達は突っ込みどころ満載のはずなのに、半次は(恐くて)声を掛けられないらしい。
「だったら、脱ぎなさい。……私たちがなんのためにここに来たと思っているの、ねえ、みんな」
 麗華は、〔Madam☆Rose〕のホステス達にウインク。
「な、なんのためって?」
 起き上がって訊く稲作。
「みんなあなたの身体が見たいのよ、私は見たことあるけれど」
「私もあります」
 ぼそりと言うジル。
 全員の視線が稲作の上半身に集中した。
「み、見せもんじゃねぇぞ!!」
「減るもんじゃないし」
「海パンぬげって言うんじゃねぇんですから」
「脱いじゃえば?白黒パンダかどうか確かめてあげる!」 
 妙は面白がっている。
「胸毛がすごいとか?」
「隙あり!!」
 黒服の青田が上から、稲作のタンクトップをはぎ取った。
「イヤ~ン」
 両腕で胸元を押さえる稲作。
 ものすご~く白けた空気が辺りに漂う。
 稲作は、そっと腕を降ろす。
「な~んだぁ。別に普通じゃない」
「過大な期待をもたせねぇで下せえよ、ダンナ」
 全員が大きな反応は示さなかった。目を青く輝かせているジル以外は。
「泳いでくらぁ」
 走り去る稲作。

「なんなのよ――絹さんボク達も行こう」
 妙も、絹さんの手を引っ張って海の方へ走っていった。
「私たちも行きましょうか、半次さん。浩一君、沙織ちゃんも一緒に泳ぎに行きましょうよ」
 二人は顔を見合わせてうなずき会うと、綺麗なお姉さんにしか見えない〔Madam☆Rose〕のホステス達に付いていった。


 今日の写真は「ミズオオバコ」(2006.08.27群馬県で撮影)
 今日は北海道の植物を一旦中断して、昨日確認してきたミズオオバコです。
 葉がオオバコに似ている、水大葉子というトチカガミ科の植物です。
 直径2~3センチの薄いピンク色の花が水面から顔を出している姿は、大変目立ちます。

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 今日2枚目の写真は「ミズワラビ」(2006.08.27群馬県で撮影)
 田んぼや側溝に生えるシダの仲間。
 農薬などの理由で、ミズオオバコと共に会いにくくなった田んぼの植物です。

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コメント

Some really excellent blog posts on this web site, thanks for contribution. “Always aim for achievement, and forget about success.” by Helen Hayes.

投稿: Audrey | 2014/01/22 23:05

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