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2006/03/14

クッキーデー

IMGP02371
 3月14日、喫茶店〔月の光〕は クッキーデー。昨日のうちに焼いて置いた手作りクッキーをサービスするのが、ここ何年かの決まり事になっている。
「いらっしゃいませ、昌子さん」
 彼女の目当てはクッキーではなく、いつもの席で手を挙げている稲作。

「どうだった?」
「わかんねぇ。確かめてる暇がなかった」
「?」
「1分26秒、最短記録だと言われちまったからなぁ。もう一度、行かない訳にはいかねぇだろ」
「引き受けてくれるのか?」
「どっちにしても、あのままじゃ可哀想だ。あの娘に一番良いようにしてやりたい。……本当なら、友達とアイスでも舐めて笑い転げる年齢だ」
 家庭教師というのは、他に良い言い方が見つからなかったから。
 昌子からの依頼内容は、少女の精神状態を見極めて欲しいというものだった。
 あんたになら、あの娘が仮病なのかそうじゃないのか判るだろう。
 智紘と過ごしたあんただったら。

「ところで、夜は妙と焼き肉に行くんだが、おねえもどうだ?」
 妙は、去年のホワイトデーに連れて行った焼き肉と夜景が楽しかったらしい。リクエストされ、今年も行くことにしたのだ。
「しょうがないねぇ、どこの世界に2人の女を一緒にデートに誘う男がいる?殺されるぜ」
「それほどの仲じゃねぇだろ俺たちは」
「妙ちゃんの気持ちをもてあそぶな」
「そんなつもりはねぇ」
「あの娘は、ジルにだってやきもち焼いてるだろう」
「そんなことは――」
「あたしには先約がある」
「お?和哉か?」
「1000円の義理チョコで、Rホテルの最上階で豪華ディナーだ」
「殺されるのはおねえの方だぜ」
「あいつはそんなケチな男じゃないし、あたしはそんなに安くない」
「そうか。じゃ、俺は、いつものこれだ」
「なんだ、買ってあるんじゃないか」
 稲作は、お菓子の箱を手渡した。F堂のゴーフル。
 昌子は嬉しそうに受け取った。
 あれはいつのことだったか。稲作のアパートに智紘、昌子、昌子の取り巻きの不良少女連中が集まり、智紘が持ってきたもらい物のゴーフルをみんなで食べたのだ。はしゃいで食べる昌子たちがみょうに女の子らしく見えたっけ。
【登場人物紹介】はこちらへ。

 
 今日も寒かったですね。朝は氷点下でした。まだ、寒さに弱い植物は外に出せません。河川敷の川津桜もまだ開いていませんでした。

 今日の写真は「ハルジオン」(2006.03.13群馬県で撮影)
 春紫苑と書きます。他の場所ではつぼみも見えないのに、日当たりが良い田んぼの畦で咲いていました。まだ高さが低くて寒そうでした。
 ハルジオンとヒメジョオンの簡単な見分け方。
 茎を切って、中空だったらハルジオン、詰まっていたらヒメジョオンなのですって。

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コメント

春のお花がどんどんと咲いてきますね~
今年は寒いからかしら?
開花がずれ込んでるように思います

投稿: 翡翠 | 2006/03/15 09:08

いらっしゃいませ、翡翠さん。

ソメイヨシノの開花予想はほぼ平年並みなのですよね。
梅も遅いし、今年は北国のように、いっぺんに春が訪れるのでしょうか。

投稿: | 2006/03/15 17:42

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