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2005/12/07

発覚

hosihaziro1
「ねえ、稲作。最近苛ついてない?」
「ねえよ」
「怒ってない?」
「ねえよ!」
「おかしいよ、ねぇ絹さん」
 ここは喫茶店〔月の光〕。
 いつもの通り、のんびりとした時間が流れている。
「カルシウム、足りてないんじゃない?牛乳飲んでる?ホットミルク飲む?」
 僕は、稲作と妙ちゃんに出したディナーセットを片付けながら訊いてみた。二人ともお代わりもして気持ちいいぐらいの完食状態。稲作のイライラの原因は、何となく判る。ジルが帰って来ないからだろう。
「毎日1本飲んでるぜ」
「1本じゃ少ないよ」
 食後のコーヒーを出しながら訊く。
「そうなのか?1リットルじゃ少ないのか」
「1本って、1リットルパック1本なの?」
「そうだけど」
「飲み過ぎかも……」
「そうだね」
「俺、そろそろ帰らぁ」
「たまには飲みに連れてって」
「そのうちな」

「稲作!」
「帰れよ」
「ヤダー!事務所に忘れ物したんだもん」
 〔月の光〕からの帰り道。
 ここのところ構ってやらないから、妙のヤツ拗ねているのだ。

「忘れ物、持ったら帰れよ。送っていくから」
「やだもん、ビール飲む!」
 今日の妙は駄々っ子のようだ。上がり込んだ妙は冷蔵庫を開けて缶ビールを開けた。1本飲めば酔い潰れてしまうだろう。
「つまみ、これっきゃねぇんだけど」
「何、これ?」
 魚肉ソーセージとマグロのフレーク。
「嫌いか?」
「こんな缶詰食べたことな~い」
「美味いか?」
「ビミョ~」

 酔いが回った妙は、部屋の中をウロウロしだした。
「さあ、帰るぞ」
「泊まる!」
「ダメだ」
「何しても良いよ。トイレ……キャーッ!」
 走って部屋を飛び出した妙の叫び声が。
 ジルの部屋のドアが開いている。


 今日の写真は「ホシハジロ」(2005.12.04宮城県で撮影)
 星羽白と書きます。赤茶色の頭と赤い目が特徴です。昨日のキンクロハジロと同じくたくさんのオナガガモに混ざっていました。

【登場人物を少しずつ紹介します】
水沢妙……押し掛け探偵所員。智紘にそっくりな彼の従妹。
     年齢20代前半。肖像画の智紘と同じ姿をすることで
     心の均衡を保っている。

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