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2005/11/19

青い薔薇

PICT01471
「本当に、眠っているだけなの?」
「本人は眠ると言ってた。俺たちが眠るのとは違うんだろうけど」
 元々息をしていないし、心臓も動いていないのだ。眠っているのか、また動き出すのか、確かめようがない。
「綺麗な顔をしているわね」
 麗華は妄想の世界に入っている。
「――こんなに似合わないパジャマを着せて」
「着せたんじゃねぇ。自分で選んで着たんだ。触るなよ、後が恐いんだから」
「まぁ、せっかくお花に合わせて色を選んだのに。……起きたら渡してね」
 リボンが付いた派手な袋の中身はすけすけのネグリジェか?
 目覚めた時にそんなものに着せ替えられていたら、俺はジルに殺される。
 麗華は、大きな箱を開けて中から花を出し始めた。
 薔薇の造花。
 たくさんの青い薔薇。
「これはプリザーブドフラワー。元々は生きていたのよ。あなた、生花だと水を換えてくれないでしょう?」
 麗華は、俺が思った通りのことをする。
「言っとくけど、ジルは死んでねぇぜ。元々生きてねぇんだから」
「心細いのね、広木。今夜は泊まってあげましょうか」
「冗談じゃねぇ。何をされるかわかんねぇ。俺も、ジルも」
 もちろん冗談だ。こんなおかしな格好をしているが、麗華はノーマルな男だ。麗華は本名じゃない。
「美味しいものを作ってあげるわよ」
「ほんとか?……どうしてもっていうなら、俺の寝床を貸してやる。ソファでもいいか?」
 こう見えて彼女は料理上手。この申し出を断ることは出来ない……ところが情けない。
「わかりやすい人ね。寝る気なの?」
「朝まで酒か」
「当たり前じゃない」


 今日は出掛けていて、UPがこんな時間になってしまいました。妙義・松井田方面。紅葉も盛りを過ぎ、野草の花もほとんど見られませんでした。

 今日の写真は「リンドウ」(2005.11.19群馬県で撮影)
 竜胆と書きます。あまりに可愛い蕾だったので、撮してみました。

【登場人物を少しずつ紹介します】
広木稲作……当店のワイルド系担当。便利屋のような私立探偵。
      年齢20代半ば。190㎝の長身、色黒で猛犬顔。
      義理人情に厚い上州男児。
      誰にも言えない2つの秘密を、ジルと共有している。

☆お知らせ☆―明日、喫茶店〔月の光〕は臨時休業させていただきます―

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コメント

quite great post, i surely enjoy this fabulous web page, retain on it

投稿: Claire | 2014/01/24 06:32

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