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2005/11/25

甘露

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「寝るとこだったか?」
 店を閉まって一杯飲んでから休むのが、僕の一日の終わり。
「一緒に飲む?たまには二人で飲むのもいい――ってもう飲んでるみたいだね」
 稲作からアルコールの匂いがしている。
「ああ、なんか目が冴えちまって。散歩してたら灯りが漏れてたから覗いてみたんだ」
「やっぱり一人は寂しいんでしょ。……ジルちゃん、どうしてるかな」
「麗華の店はまだ開いてるから」
「まだ仕事中か。……お湯が沸いたみたい。寒いから焼酎のお湯割りにしようと思ってたんだ。同じでいい?」
「サンキュ」
「美味しい水を汲んできたんだ。箱島の湧水」
 名水100選に選ばれている東村の湧水は水量が豊富だ。駐車場から水場まで距離があるから、マイ猫車を置いている人もいるらしい。いくつもの猫車が塀に鎖とカギで括り付けてあった。
「沸かしてないのを1口くれ」
 僕はペットボトルに汲んできた水をコップに注いで稲作に渡す。
「どう?」
「うん、甘くて良い水だ」
「飲もう」
 焼酎のお湯割りを彼にも手渡す。
 湯気が白く見える季節になった。


 これまで何回かドラマ「デザイナー」について書いてきました。
 せっかくですから、最終回の今日も書かないとね。
 原作を膨らませたサイドストーリーも良かったですね。原作通りのラスト、若いみなさんには如何でしたか。30年以上も前、少女雑誌リボンで連載されていたのです。

 今日の写真は「ソシンロウバイ」(2005.1.10群馬県で撮影) 
 素心蝋梅と書きます。中国原産のこの庭木は、花の少ない真冬に蝋細工のような花を咲かせてくれますね。この花の甘い香りが好きです。もうそろそろ咲き出すでしょうか。
 
【登場人物を少しずつ紹介します】
僕(絹)……喫茶店〔月の光〕のマスター。年齢40代半ば。
      何度会っても思い出せないような無個性な人。
      気弱で自然観察好き。筆者の分身で、筆者よりお人好し。

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