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2005/11/13

見合い

PICT01291
「ご趣味は?」
「食うことと寝ること。それと走ることだ。そっちは?」
「まぁ!同じだわ」
 俺と向かい合っているのは、皆さん予想の通り、超が付くほど美人。二十歳前後と思われる、小柄な女の子だ。
 場所は喫茶店〔月の光〕。
 客が座っているのを見たことがないオープンカフェスペース。たまに夏場、客でもない年寄りが団扇で蚊を追い払いながら、夕涼みをしていることがある。今の季節、大人しく座っているにはちょっと寒い。
「ごめんなさい。店の中に入っていただけないものですから」
「いいえ、楽しいですわ」
 絹さんが、コーヒーとケーキを3組持ってテーブルに置いた。
 後ろからジルが、大きな犬用の水入れに入ったミルク2つと、直径20センチのケーキを半分に切り分けたものを皿に入れて俺たちの足下に置き、空いた席に座った。チョビはガツガツ食べ始める。
「ワンちゃん用に塩分と糖分とバターを控えていますから、心配はいりませんよ。こんなに美味しそうに食べてくれるのなら、ドッグカフェにでもしようかなぁ」
 チョビを見ながら、絹さんは言う。そんな味気ないケーキが美味いのか?チョビ。
 こんな田舎にドッグカフェの需要がある訳がない。都会には、人間のより高いケーキを食わせて、自分の旦那より高い服を着せて、自己満足に浸るオバサン達もいるらしいが。
 チョビの見合い相手は、ご主人の許しが出るまで大人しくお座りをして待っている。白地に黒の斑点があるハールクインというホルスタインの子牛のような柄をした、グレートデーンのお嬢ちゃんだ。「待て」も訊かないチョビとは育ちが違う、っていうか普段は言うことをきくのに。もしかして、照れているのか、緊張しているのか。
 チョビはフォーン、ベージュ色で口の辺りが黒い。これが、彼の犬相をより悪くしている。
「チョビ、一人で食ってんじゃねえ。あの――」
「この子の名前はハナコです。私は、山田有紀。ハナちゃん、食べていいわよ」
 ヤマダハナコか。この娘、こだわりがないタチのようだ。
 ハナコは、この種類の犬ってこんなに品良く食べることが出来るのかと思うほど、綺麗な食べ方でケーキを食べ始めた。


 グレートデーン。小さな子供なら、背中に乗れそうなほど大きな犬です。一度だけ出先で見かけたドッグランで走り回る姿を見たことがあります。思っていたより大きくて、驚きました。

 今日の写真は「カジノキの実」(2005.10.16群馬県で撮影)
 梶の木と書きます。コウゾ属クワ科の植物で、和紙の原料として栽培されていました。その野生化したものに、時々河原で会うことが出来ます。高さは4~10メートル。葉も桑より大きく厚いです。直径3センチほどの丸い実は食べられるそうです。

【登場人物(人物以外も)を少しずつ紹介します】
喫茶店〔月の光〕……どこかにあるかも知れない
          大きな川の畔に建つログハウス風の喫茶店。
          僕らをもっと知りたい方はHPをご覧下さい。

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