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2005/11/10

ミミクリ

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 朝の河川敷。
 いつものように、チョビを連れて散歩をしていた。
「稲作、無事でしたね」
「あのなぁ」
 無事に決まっているじゃないか。そう何回も柿の木から落ちてたまるか。
 バイトの翌朝、ジルは始発に乗って帰ってくる。寝ていないはずだがいつもの通り。眠るサイクルが普通の人間とは違うのだ。
「チョビ、良い子にしていますか」
「ワン!!」
 ジルには大人しく従うチョビだが、人には飼い主と便利屋の親方と俺にしか懐かない大型犬だ。
「牛乳もらいに行こうぜ」
「ワン!!」
「なぁ、ジル」
 〔月の光〕に向かいながら話す。
「はい」
「いまさら聞くのも何なんだけど」
「?」
「お前、初めてあった時、黒髪で黒い瞳だったよな?」
「こんな風に?」
「うわっ!」
 一瞬で髪と瞳の色が変わる。ホラー映画も真っ青だ。
「こちらでは、金髪と青い目に見えるように暗示をかけているのです。そのせいで顔のパーツの印象が薄らぐでしょう」
「そうか?」
 動悸が治まらない。
 現実ではどっぷりと浸かっているのに、ホラー映画は大嫌いだ。
「来日するまで、日本人はみんなあなたのような黒髪だと思っていました。顔も凹凸が少なく似た印象だと」
「来てみてビックリだったろう?」
「はい。赤や青の髪や瞳の人もいます」
 ジルのバイト先は新宿。東京には色々な格好のヤツがいる。
「ご主人様」
 一瞬、青い髪と赤い瞳に変わったジル。
「うわっ!!」
 あまりのショックに、萌え~という感情は湧かない。
「ま、まさかお前、サムライやニンジャが居るとは思っていなかっただろうな」
「少しだけ」
 ジルにとっては江戸時代なんて、つい最近の事なのだ。


 リンクに、掲示板 喫茶店〔月の光〕を加えました。
 本館〔みけのみちくさ〕の掲示板です。「ブログ」のコメントとは違う味わいがあるものなのですが、あまり活用されていないのです。
 管理人は僕ですので、よろしかったら遊びにいらしてみて下さい。

 今日の写真は「アゲハモドキ」(2002.06.16群馬県で撮影)
 本人にとってはあずかり知らぬことでしょうが、モドキ、とか、ダマシ、とかが名前に入るのは気の毒な気がしますね。食草は、ミズキ・クマノミズキ・ヤマボウシ。アゲハモドキガ科の蛾の仲間です。
 今日の題名はミミクリ(擬態)です。アゲハモドキはジャコウアゲハに擬態しています。
 なぜでしょう。
 ジャコウアゲハはウマノスズクサを食草にします。幼虫がウマノスズクサにある毒分を体内に取り込む毒蝶なのです。ゆっくり飛んで、鳥などに毒蝶であることを見せつけるのだそうです。
 アゲハモドキはジャコウアゲハの真似をして、食べられないように毒のある蝶になりすましているのですって。

【登場人物(人物以外も)を少しずつ紹介します】
ジル……自称22歳、本当は1300歳の吸血鬼。
    金髪碧眼で、見た人の理想の姿に見える。
    仲間にする約束を、稲作と交わしている。

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コメント

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投稿: Lillian | 2014/01/22 13:37

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投稿: Isabella | 2014/02/09 11:43

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