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2005/10/19

でももう花はいらない

PICT00881
「ちわ~す」
「いらっしゃいませ、稲さん」
 〔月の光〕。カウンター席に座っていた赤木昌子がこちらを見た。
 予想通り、いや、期待通りだ。
 昌子は出ようと、目で合図した。
「絹さん、また後で来る」
 
 〔月の光〕を出て河川敷を歩く。
 前を行く昌子の髪が風になびいている。あの頃のままだ。色を付けようとかパーマを掛けようとかいう考えはないのだろう。
 昌子はいい女だ。
 新宿で評判の麗華や彼女の店の連中と比べても引けをとらないだろう。
「もう5年だ。少しは考えろ」
 振り返った昌子が言った。
「何を?」
「うちに来いよ」
「言ったろう、コネは嫌だと」
「その日暮らしじゃ、嫁ももらえねえだろ?」
 気付いただろうか。俺が二人いるようなこの会話。昌子は俺の前では、何年たっても不良少女のままだ。
「そんな気は無ぇんでな。お前こそそんなんじゃ婿が来ねぇぜ」
「期待を裏切って悪いが話は山ほどある」
 だろうな。みんなこんな昌子を知らないだろうから。
 こうして話しているとあの頃のままだが、俺たち二人の間には埋めることが出来ない溝がある。


でももう花はいらない(オフコース)

もう僕には花は咲かない
いつの間にか大事なものを失くした
もう戻れない道を振り返っても
人ごみに落としてきた
いくつかの愛は見えない

緑の髪に胸をおどらせ
歩いた学生時代は
夢のように過ぎて終わった
その時に落としてきた
かげりのない心も見えない

今は欲しくはない
*花なんて大人に 似合いはしない
 花なんて大人に 似合いはしない
花なんて大人に 似合いはしない
花なんて大人に 似合いはしない

*Repeat…

 僕とオフコースの出会いの曲。
 初めて聞いた時は誰が歌っているのか、どんな題名なのかも知りませんでした。新入生歓迎会でフォークソング愛好会の先輩方が歌ってくれたのです。
 茶髪は不良(ヤンキーではなく(^^;)といわれた時代、ほとんどの生徒が緑の黒髪だった時代です。
 秋には、あの時代を懐かしんで聞きたくなってしまうのです。

 今日の写真は「バイカモ」(2005.10.15長野県で撮影)
 キノコ続きだったので。
 梅花藻と書きます。他の花はほとんど終わっていたのに、水中のバイカモだけは咲いていました。湧水池など清流にしか咲けない可憐な花です。撮影地は姫川源流。

【登場人物を少しずつ紹介します】
赤木昌子……地元の有力会社赤木建設の美人社長令嬢で元不良。
      稲作、智紘の同級生。
      稲作に事務所を提供し、陰で仕事を世話している。
      稲作と相思相愛だったのだが……。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。 
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コメント

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投稿: Kaylee | 2014/01/22 11:39

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