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2005/10/16

レトロな遊園地

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 午後はオフ。
 というと聞こえがいいが、仕事がないし日曜日だから、一をどこかに連れて行ってやろう。
「どこに行きたい?」
「遊園地!」
 俺は、‘親子水入らずで行っていらっしゃい’というみんなに見送られて、ウエスタンスタイルで決めた一を、華蔵寺公園に連れて行った。華蔵寺公園遊園地は隣の伊勢崎市にある、江戸川乱歩の小説に出てきそうなレトロな感じの遊園地だ。
 二人で豆汽車に乗り、バッテリーカーに乗る。3歳児だから、保護者同伴じゃないと駄目なのだ。子供の身体ってやつは柔らかくて暖かい。髪だってビロードのように柔らかいのに、そのうち俺のように針金みたいな髪になってしまうのだろう。
 ‘小型の乗り物’というのは子供一人で乗せても大丈夫。
 一はご機嫌で俺に向かってVサインを出している。
 こんな時、父親だったらカメラを構えるものなのだろう。使い捨てカメラを買っておけば良かった。
 昼飯は売店で買ったホットドッグとジュースをベンチで食べる。
「チキンナゲットも食うか?」
「うん!」
 俺たちは、誰が見ても親子に見えるだろう。このままずっと、一と暮らすのも悪くない。
 メリーゴーランドに乗り、大観覧車に乗った。
「うわーっ、高けぇなぁ」
「降りたら、ソフトクリーム食おうぜ」
「うん、チョコ味がいい」
「俺も遊園地に、一度だけ、親父に連れてきてもらったことがあるんだ」

「ただいま!!」
「お帰りなさい、元気がいいね。楽しかった?」
「うん!楽しかった!」
 稲作と一君が遊園地から戻ってきた。手をつないで入ってきた二人は、誰が見ても仲良し父子だ。
 ここは〔月の光〕。
「お腹空いたでしょう?何を食べますか、一君」
 と、僕。
「スパゲキーとプリン!」
「あれ?一ちゃんはプリンが好きなんだ。お父さんは嫌いなのに」
 と、からかう妙ちゃん。
「俺だって、子供の頃は食ったぜ。ガキの頃から酒飲んでたわけじゃねぇ」
「稲作だったらほ乳瓶に日本酒が入ってても不思議じゃないよね、人肌の濁り酒とか」
「バカいうな」
「あれ?ジルとオバチャンは?」
 と、一君。
「ジルちゃんは一足先に帰ってお風呂や布団の準備をしておくって。……麗華さんは仕事があるからって帰ったよ。一君によろしくって」
 色々が一君を中心に回り始めている。
「手に負えなくなったらいつでも言って、だって」
 と、妙ちゃん。麗華さんは、もしもの時は一君を引き取る気満々の様子だった。
「一君はどんなスパゲティーがいいですか?」
「赤いの!」
「トマト味がいいんだね。具は何がいいかな」
「俺専用のナポリタンを作ってやってくれ」
「味、濃いんじゃない?」
 妙ちゃんが味が濃いのではないかと心配した稲作専用のナポリタンは、タマネギ、ピーマン、ウインナーの具をバターで炒め、ケチャップで味付けをしたものだ。昔のデパートの食堂や、昔の喫茶店、今ではお弁当の付け合わせなどに入っている懐かしい味のスパゲティーだ。
「二人で同じものを食いたいんだ」
「稲作、自分が食べたいだけでしょう?」
「まあな」
 ナポリタンとカスタードプリンを目の前にした一君は目を輝かせた。
「どう?」
 今の子の口には合わないのではないかと、僕はドキドキしてしまう。
「うめえ!」


 華蔵寺公園HPはこちらです。江戸川乱歩感が味わえますよ。ドナルド~。

 今日の写真は「ハナイグチ」(2005.10.15長野県で撮影)
 カラマツ林に生える赤くて美しいキノコ。その上美味しいのです。
 ラクヨウ・ラクヨウモタシ・ジコボウ・リコボウなどの地方名があります。ナメコのような滑りと食感があり、信州の人に愛されているキノコです。
 ハナイグチが入ったきのこ汁は美味しいですよ。

【登場人物を少しずつ紹介します】
広木稲作……当店のワイルド系担当。便利屋のような私立探偵。
      年齢20代半ば。190㎝の長身、色黒で猛犬顔。
      義理人情に厚い上州男児。
      誰にも言えない2つの秘密を、ジルと共有している。

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コメント

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投稿: Anna | 2014/01/22 17:07

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